がんなどをはじめ治療が困難で、完治や予後の回復が望めないようなケースに対して、病気に対する一般的な治療とは別に行う行為が緩和ケアになります。緩和ケアの目的は、病気そのものを治す事ではなく、治療が困難な病気や痛みや苦しみなどの症状が極力抑えられるようにしながら、患者の残された時間の出来るだけ通常に近い生活水準や環境を保つ事を目的とした行為になりますので、治療を主な目的としている一般的な目的とは異なります。
緩和ケアの場合には、患者の希望や状況によって、一般病棟でだけでなく、専門の緩和ケア病棟や自宅でもケアを受けることが可能になっているので、可能な限り患者の希望にそった方針でケアをすすめるのが基本的な考え方になっています。治療にかかる費用に関しては、保険の適用が認められていますが、個々の年齢や収入などによって計算された金額を支払う事になります。一般的な病気に対する治療と同じく、収入の多い若い患者さんの場合には、それなりの費用の負担が考えられますが、どちらにしても入院して治療を行う費用と共に考えての治療費になりますし、高額医療制度の対象になることから一定額以上の負担に関しては返還される事になっています。
緩和ケアの目的は、がんにかかった患者が外科的治療による根治も難しいだけでなく、内科的な治療も効果が期待できないと判断をされた時に、痛みや治療の副作用に苦しみながら亡くなるよりも、治療が困難だと判断された病気に対しては、緩和ケアという形で、患者の治療よりも予後の生活環境を基本に考えた方針になっているので、実際の治療に対しては効果が得られているとはいえません。そのような意味からも医学的な行為として賛否両論ではありますが、人生の最後をできるだけ良い環境で生活をする事を望む人は多い事から、多くの病院でも専門スタッフによる対応を行っています。