地域包括ケアシステムと在宅医療の看護師の役割

2025年、日本国民の30.3%が65歳以上、18.1%が75歳以上という超高齢者社会に突入します。これからますます医療や介護、予防と住まい、生活支援・福祉サービスのサポート体制が必要になるということでさまざまな施策が行われているのですが、その1つが地域包括ケアシステムです。

地域包括ケアシステムとは、介護が必要になった高齢者でも住み慣れた地域で快適に生活できるようにサポートする制度のこと。厚生労働省では、

1.医療、訪問看護、介護、リハビリテーションの連携強化

2.介護福祉サービスの充実と強化

3.要介護状態にならないための予防促進

4.見守り、配食、買い物などの多様な生活支援サービスの確保

5.高齢者になっても住み続けられる住まいの整備

の5つを地域包括ケアシステムの取り組みとして挙げています。

介護福祉サービスの一環として、在宅患者は訪問看護・デイサービス、診療所、クリニックなどの訪問診療や往診、訪問看護ステーションを利用した訪問看護、調剤薬局からの服薬指導などが受けられます。24時間対応できる在宅療養支援診療所は全国で1万5,000件以上あり、通院の難しい患者の要請に応えたり、容態が急変したときに駆け付けたりといった対応をしています。

スムーズな在宅医療のためには、訪問看護師の看護ケアや理学療法士・作業療法士のリハビリテーション、ケアマネジャーによるケアプランの作成といった多職種の連携が求められます。この中でも特に期待されているのが訪問看護師です。訪問看護ステーションには2.5人以上の看護職員が勤務する従来のものと、5~7人以上の看護職員が勤務し24時間対応、看取りサポートまで積極的に行う機能強化型のものがあります。厚生労働省によると病院で最期を迎える人は約80%にのぼりますが、訪問看護の利用者にしぼってみると約半数以上が在宅死しているというデータがあります。

地域包括ケアシステムにおける訪問看護には、住み慣れた地域での在宅療養を最後まで支える大事な役割があります。これからは看取りも強化した機能強化型の訪問看護ステーションが増えてくることでしょう。となると必然的に訪問看護師の需要も伸びてくるもの。2025年前後には今まで以上に必要となってくるでしょう。転職したい方にとってはいい機会かもしれません。看護師に特化した転職支援サイトとして有名なスーパーナースでも多くの求人が見られます。これからの時代、訪問看護がポピュラーになるのではないでしょうか。