セルフメディケーション制度によって期待されるメリット

セルフメディケーションとは、何か体の調子が悪くなったときに、病院やクリニックを受診することなく、自分自身の判断で街中のドラッグストアなどに行って薬を購入し、それで対処することを指します。これは、患者の側から見ると、わざわざ病院に行ったりする手間が省けるというメリットがあります。もちろん自分自身でも判断がつく程度の病気である必要がありますが、軽い風邪や胃腸症状くらいであればいちいち病院に行くまでもないと考える人も多いことでしょう。

一方で、国民医療費の面からも重要な意味があります。日本は国民皆保険ですから、医療機関を受診して健康保険が適用されると窓口での自己負担は原則3割で済みます。それ以外の7割は健康保険が負担しているわけです。ところが高齢化の進行などにより医療費がかさむようになり、健康保険の財政は逼迫しています。ここで、同じ病気でも医療機関を受診することなく自分自身でドラッグストアに行って薬を購入して対処したとすればどうなるでしょうか。その場合は当然ながら健康保険は適用になりませんから、保険財政からの支出はなくなります。それだけ財政の逼迫を緩和することができるというメリットがあることになります。